差押
差押とは債権者が確定判決、執行力ある公正証書、仮執行宣言付き支払い督促、少額訴訟判決、などを得て、あるいは、抵当権などの担保権に基づいて、執行裁判所に申し立て、債務者の動産、不動産、債権などの処分の制限を行うことです。
具体的には、任意に債務の弁済を行わない債務者の財産を占有を移す、差押えの登記をする、禁止命令を発する等の方法で勝手に処分できない状態にすることです。
債務者の財産処分に対する制限手段としては、係争中に債務者の財産保全のために行う仮差押や手続き上の条件を整える間にとられる仮処分などがあり、いずれも時効中断事由でもあります。
裁判で勝訴した債権者が執行裁判所に競売の申し立てをすると裁判所の書記官の嘱託により債務者の不動産に差押えの登記がされます。
その後、競売開始の公告がされ、競売期日において買受申し出人による入札が行われ、最高価買受申出人、次順位買受申出人が決定されます。
売却決定がされ最高価買受申出人が競売代金の払込を完了すると、裁判所書記官の嘱託により抵当権など担保権登記の抹消、差押登記の抹消、所有権の移転の登記がされ、債務者の不動産は競落人(最高価買受申出人)のものなります。
競落人(最高価買受申出人)が払い込んだ競売代金は予め決められた順位にしたがって債権者たちに分配されます(配当)。
もしも全ての債権者に弁済しても、なお残額があれば債務者に渡されます。
このように、債権者に弁済する目的で債務者の財産を処分するために、当該債務者の財産を裁判所の管理下に置く手続きが差押えなのです